
イビの拝所
宮古島から西に67km、石垣島 から東に35kmの距離にある多良間島は観光地化されていない、手つかずの自然が残る周囲15kmの小さな島です。海に囲まれた島の住人にとって、海は恵みをもたらすも神であり、災害をもたらす荒神でもあります。イビの拝所は、そんな島民たちにとって航海の安全を願う祈りの地です。拝所は、沖縄地方に古くから伝わる神霊が集まる場所で、ハイジョではなくウガンジュと読みます。ウガンジュとは、沖縄北部のウガミ(拝み)が転じた言葉です。イビは漢字では威部と書きます。イビは御嶽の中心に置かれ、最も神聖な場所、神様が降臨・鎮座する場所と言われています。昔から島民は、船を送り出してからウガンジュで祈るのを習わしとしてきました。
Photo by Ryuta Saitoh
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